はじめに
「can=〜できる」「must=〜しなければならない」など単純に思われがちですが、実際は意味やニュアンスが複数あり、混乱しやすい単元です。
この記事では、高校1年生向けに助動詞の基本ルールと代表的な使い方、そしてよく間違えるポイントを整理して解説します。
助動詞の基本ルール
1. 助動詞の後は「動詞の原形」
これは三単現でも過去形でも関係ありません。
つまり、動詞の形を変える役割は「助動詞」自身が担っていると考えるとわかりやすいです。
2. 助動詞は「人称・数」で変化しない
でも助動詞は主語に関係なく同じ形で使います。
3. 否定文は「助動詞+not」
4. 疑問文は「助動詞を前に出す」
5. 助動詞は「過去形・完了形」で意味が変わることがある
ただし「単純な過去」ではなく、ニュアンスが変わるのが特徴です。
まとめ(基本ルール編)
・主語に関係なく形は変わらない
・否定は「助動詞+not」疑問文は「助動詞を前に出す」
・過去形や完了形の組み合わせで意味が変わる
よく使う助動詞と意味
助動詞の中でも特によく使われるものを整理しておきましょう。まず can は「〜できる」という能力を表すときに使いますが、文脈によっては「〜かもしれない」と可能性を表す場合もあります。例えば She can drive a car. なら「彼女は車を運転できる」という意味です。
次に may は「〜してもよい」という許可を表すときに使われます。また「〜かもしれない」と推量を表すこともあり、You may open the window. で「窓を開けてもよい」となります。
must は「〜しなければならない」という義務を表す場合と、「〜にちがいない」という強い確信を表す場合の二通りがあります。例えば He must be tired. は「彼は疲れているにちがいない」と訳します。
shall と will は未来を表すときに用いられます。両方とも「〜するつもりだ」「〜でしょう」という意味ですが、will は意志や確実性を強調するときに使われ、shall は提案や申し出のニュアンスを持ちます(特にイギリス英語で使われます)。例えば I will call you tomorrow. は「私は明日あなたに電話するつもりだ」という意味になります。
最後に should と ought to ですが、どちらも「〜すべきだ」と義務や助言を表すときに使われます。また「〜のはずだ」と推量を表す場合もあります。例えば You should study harder. は「あなたはもっと一生懸命勉強すべきだ」という意味になります。
紛らわしい使い分け
助動詞には似た意味を持つものがあり、特に高校英語で混乱しやすいポイントです。
must と have to
どちらも「〜しなければならない」ですが、must は「自分の気持ちからくる強い義務」、have to は「状況やルールにしばられて必要」という違いがあります。
can と be able to
両方とも「〜できる」ですが、can は「普段の能力」、be able to は「特定の状況で可能だった・可能になる」ことを表します。
may と might
どちらも「〜かもしれない」ですが、may の方が可能性が高く、might はより弱い推量や控えめな言い方になります。
例題で確認
解答
Q1. あなたはここでタバコを吸ってはいけません。
→ You must not smoke here.
(must not で「〜してはいけない」を表す)
Q2. 彼はその時、家にいたにちがいない。
→ He must have been at home then.
(must + have + 過去分詞で「〜にちがいない(過去)」)
Q3. 彼女は英語を話せる。
→ She can speak English.
(can は「〜できる」)
まとめ
助動詞は必ず動詞の原形とセットで使い、主語によって形が変わることはありません。否定文は「助動詞+not」、疑問文は「助動詞を前に出す」という基本ルールをまずしっかり押さえましょう。
また、must と have to、can と be able to、may と might など、意味が似ている助動詞でもニュアンスの違いがあります。ここを整理しておくと英文を読むときも書くときも迷いにくくなります。
高校1年の段階で助動詞を理解しておけば、その後に出てくる仮定法や完了形の学習がスムーズになります。今日学んだ内容を例文で声に出して練習しながら、少しずつ自分のものにしていきましょう。
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